
黒染めをした後に「明るくしたい」「透明感のあるカラーに戻したい」と思っても、通常のカラーを重ねるだけでは明るくならなかったり、根元だけが明るい逆プリンになったりすることがあります。
黒染め後のカラーで大切なのは、黒い色素が残っている場所と、新しく伸びた地毛を分けて考えることです。一度で希望色を目指すより、色素の残留、髪の体力、ムラを確認し、カラーリムーバー・ブリーチ・暗めのカラーを使い分ける方が安全です。
この記事では、CELSUSの施術例をもとに、黒染め後に明るくする方法、赤みやムラが出る理由、施術方法の違い、失敗を避けるポイントを解説します。
最初に知っておきたいこと
- 黒染めの色素は、通常の明るいカラーだけでは十分に取り除けないことがある
- 黒染めしていない根元だけが明るくなる「逆プリン」に注意する
- 色素を落とすと赤・オレンジが出やすく、その後の色補正が必要
- ブリーチ・カラーリムーバー・シングルカラーにはそれぞれ向き不向きがある
- 縮毛矯正やセルフカラー履歴がある場合は、髪の安全を優先する
黒染め後の髪が明るくなりにくい理由
黒染めや濃い暗染めでは、髪の内部に深い染料が残ります。新しく伸びた根元にはその色素がありませんが、中間〜毛先には残っているため、全体へ同じ明るいカラーを塗ると、根元だけが明るくなりやすくなります。
また、黒い色素を取り除く途中では、もともとの髪の赤み・オレンジ味や、過去に入れた色が現れます。そのため「黒を落とせば、そのままベージュやアッシュになる」というものではありません。
黒染め・暗染め・地毛は同じではありません
| 状態 | 特徴 | 明るくするとき |
|---|---|---|
| 地毛 | 人工の暗い染料が入っていない | 髪質に合わせて通常カラーやブリーチを選ぶ |
| 暗染め | 濃い染料が残っていることがある | 使用薬剤と回数を確認する |
| 黒染め | 深い色素が長く残りやすい | 色素除去と色補正を段階的に行う |
| セルフ黒染め | 塗布量や重なりが不均一になりやすい | ムラを前提に慎重な診断が必要 |
黒染め後にカラーする3つの方法
1.カラーリムーバーで人工色素を落とす
カラーリムーバーは、人工の染料を取り除く目的で使います。髪そのものを大きく明るくする施術ではないため、黒染めを落とした後の明るさには限界があります。色素が抜けると赤・オレンジが現れやすく、続けて色を補正する必要があります。
2.ブリーチで明るさを上げる
より明るい髪色を目指す場合に選択肢となります。ただし、黒染めの重なり方によって抜け方が変わり、ムラやダメージが出やすい施術です。過去に縮毛矯正や複数回のブリーチがある場合は、施術できないことがあります。
3.シングルカラーで無理のない範囲へ整える
大幅なトーンアップは難しいものの、現在の明るさに合わせて赤みを抑えたり、根元と毛先をなじませたりできます。髪への負担を抑え、数回に分けてベースを整えたい方に向く場合があります。
| 方法 | 向いている希望 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| カラーリムーバー | 人工色素を減らしベースを整えたい | 明るさは保証できず、赤みが出やすい |
| ブリーチ | より明るい色を目指したい | ダメージとムラのリスクが高い |
| シングルカラー | 暗めの範囲でなじませたい | 黒染め部分を大きく明るくできない |
施術例1|逆プリンと赤みを段階的に整える
こちらのお客様は、過去の黒染めに加え、直近で明るいカラーをしたことで、根元だけが明るい状態になっていました。

黒染めしていない根元と、暗い色素が残る中間〜毛先では、必要な薬剤が異なります。まず人工色素を減らし、ベースの差を確認しました。


根元は深め、中間〜毛先は赤みを抑える色へ塗り分け、全体が自然につながるよう調整しています。

最初の施術では、希望色を完全に再現することよりも、次回以降のカラーがしやすいベースへ整えることを優先しました。
施術例2|黒染め履歴を生かした暗めグラデーション
仕事上、全体を明るくできないお客様には、毛先だけに変化をつける暗めのグラデーションをご提案しました。

毛先の人工色素を減らすと、赤みが現れました。この赤みを確認したうえで、青・紫系を含む深い色へ調整します。




※掲載写真は2017年の施術例です。現在は使用した薬剤、黒染めの回数、髪の状態を確認して施術方法を決めます。同じ明るさ・色・回数での仕上がりを保証するものではありません。
施術例3|1年前の黒染めが残る毛先を暗めピンクへ
こちらは、約1年前の黒染めが中間〜毛先に残っていた2016年の施術例です。根元側より毛先が暗く、通常のカラーだけを全体へ重ねると、黒染めしていない部分だけに色が入り、明るさの差が残る状態でした。

希望は、明るくしすぎない大人向けのピンクカラーです。当時は黒染めが強く残る部分を中心に色素を減らし、根元側の明るさへ近づけてから色を重ねています。黒染めしていない部分へ同じ薬剤を広く重ねないことが、逆プリンや過度な負担を避けるポイントです。

色素除去後は、完全な金髪を目指すのではなく、黒染め部分とそれ以外の差を確認できる明るさで止めています。そのベースへ赤紫を含む深いピンクを重ね、残りやすい赤みを仕上がりに生かしました。



ブリーチを使わずピンクへ近づける場合
大きく明るくする必要がなければ、現在の明るさに合わせたカラーを複数回重ね、徐々にベースを整える方法もあります。ただし、黒染め部分を一度で明るいピンクへ変えることは難しく、最初は深いピンクブラウンなど、無理のない色から始めることがあります。
※掲載写真は2016年の施術例です。現在は黒染めの種類・回数、縮毛矯正やブリーチ履歴、切れ毛の有無を確認します。同じ薬剤・回数・仕上がりを保証するものではなく、髪の状態によってはブリーチや色素除去をおすすめしない場合があります。
黒染め後のカラーで失敗を避けるポイント
黒染めした時期・回数・商品を伝える
美容室の黒染めかセルフカラーか、いつ・何回行ったかで残留の予測が変わります。分かる範囲で担当者へ伝えてください。
一度で完成させる前提にしない
黒染めのムラや強い残留がある場合は、複数回に分けた方が髪を守りやすく、次回の色も整えやすくなります。
根元と毛先を同じ薬剤で染めない
黒染めしていない根元は明るくなりやすいため、塗り分けが重要です。根元だけが明るくなった状態を自宅で直そうとすると、さらにムラが複雑になることがあります。
今後のカラー計画まで決める
就職・仕事・学校のために暗くする場合も、将来また明るくする予定があることを伝えると、必要以上に残留しにくい方法を選べることがあります。
黒染め後のホームケア
- 施術後はカラーケア向けの穏やかなシャンプーを使う
- 濡れた髪を放置せず、洗い流さないトリートメントをつけて乾かす
- 高温アイロンを続けず、熱ダメージを抑える
- 次回の施術までセルフカラーを重ねない
よくある質問
黒染めは一回で完全に落とせますか?
完全に落とせないことがあります。黒染めの回数、使用薬剤、塗布ムラ、髪質によって残り方が異なります。髪の安全を優先し、複数回に分ける場合があります。
黒染め後にアッシュやベージュにできますか?
ベースの明るさが整えば可能ですが、最初は赤・オレンジが残りやすく、希望より深い色から始めることがあります。
セルフで黒染め落としを使っても大丈夫ですか?
根元と毛先で色素量が違うため、ムラや想定外の赤みが出る可能性があります。すでに逆プリンや色ムラがある場合は、サロンでの診断をおすすめします。
縮毛矯正をしていても明るくできますか?
ブリーチや強い色素除去は負担が大きく、施術をおすすめできないことがあります。縮毛矯正の時期と範囲を必ずお知らせください。
料金と時間はどれくらいですか?
必要な色素除去、塗り分け、トリートメントの有無で変わります。古い記事の料金・クーポンは現在と異なるため、最新MENUまたはカウンセリング時にご確認ください。
黒染め履歴を確認して施術計画をご提案します
黒染め後のカラーは、履歴によって仕上がりと必要な回数が変わります。現在の髪と希望色が分かる写真がある場合は、予約時またはLINEでお送りください。
初回公開:2017年7月13日/2026年8月30日 内容を全面更新・関連施術例を統合



